「鍼灸で麻痺は起きるのか?」巨人軍 澤村選手のニュースについて
東洋はり灸整骨院院長の石丸です。
先日、巨人の澤村選手が鍼灸を受けて、長胸神経麻痺に陥ったというニュースが報道されましたね。鍼灸でこのようなことが起きてしまうのは、大変悲しいことです。特に、今回は一流アスリートですから問題が大きく取り上げられたのだと思います。
もしかすると、皆さんもこのニュースを見た時に、
「鍼灸で麻痺が起きることが本当にあるの?」
「鍼灸はもう怖いな…。」
などと思われた方も多いかもしれませんね。
そこで今回は、鍼灸で麻痺が起きる可能性についてお話ししたいと思います。
はりで麻痺が起きてしまう理由とは?
鍼灸を行った際に麻痺が起きてしまう理由は、西洋医学的な理由で起きる場合と、東洋医学的な理由で起きる場合の2つがあります。
太い針で刺して、神経を傷つけたために麻痺が起きたという場合は西洋医学的な理由です。神経にダメージを与えるには太い針を使わなければいけません。もしかすると、澤村選手はスポーツ選手ですので、体が大きいこともあり太い針を使っていたのかもしれませんね。
鍼の種類
鍼灸に使われる針には0番から10番まで太さの種類があります。0番は髪の毛ほどの細い針で、10番になるとものすごく太い針になります。
東洋はり灸整骨院のような伝統的な鍼灸の場合は、0番から2番の細い針を使います。この太さの針では神経麻痺は起きません。細くて短い針なので、低刺激の施術が可能です。
もちろん、中には太い10番の針を使う鍼灸院さんもあります。
鍼灸院をラーメン屋さんに例えると
ラーメン屋さんに例えると分かりやすいかもしれません。ラーメンには激辛ラーメンもあれば、出汁の効いたラーメンもありますね。
イメージとしてお伝えするとすれば、細い針で施術する鍼灸院は薄味で出汁の効いたラーメン、10番を使う鍼灸院は、激辛ラーメンに近いですね。
太い針を使うことは悪い事ではありませんが、神経や血管、筋肉の場所を踏まえて太い針で西洋医学的な治療をしてしまうと、神経を傷つける可能性は高くなります。
東洋医学は他の要素を考えて治療する
東洋医学で原因を考える場合、「季節」と「気血」の巡りの二つの要素が重要とされています。
澤村選手が鍼灸を受けたのは2月です。暦上は立春が過ぎると春です。東洋医学では、「春」は麻痺が起きてもおかしくない季節なのです。
また、気血の巡りについては、実際に東洋はり灸整骨院でもバレーボールをしている高校生の男の子が、急に右腕が動かなくなって麻痺状態だということで来店したことがあります。
整形外科だけでなく大学病院まで行っても原因が分からなかったそうですが、東洋はり灸整骨院では1回施術しただけで腕が動くようになりました。麻痺の理由が、「気血の巡り」という東洋医学的なものだったので病院の先生では分からなかったのだと思います。
病院では「麻痺が起きる=神経にダメージがある」という考え方しかしないので、原因が分からないこともあります。澤村選手の麻痺の原因を突き止めるためには我々の鍼灸施術を行ってみるしかありません。
6回程度で改善したら、原因は東洋医学的なことだったと言えるでしょう。全く状態が変わらない場合は神経にダメージが起きているということですね。
本記事の解説動画
本記事の内容について、私がYoutubeにてお話させていただいた動画もございます。ぜひチェックしてみてください。
まとめ
澤村選手の麻痺の原因を突き止めるためには、東洋医学的視点や施術を行ってみてからでないと正確なことは言えないかもしれません。しかし今回のニュースを見て、鍼灸は麻痺が起こる可能性が高いというイメージをお持ちになった方も多いかと思います。
一つ確実なことをお伝えするとすれば、伝統的な鍼灸院なら細い針しか使わないので神経が傷つくようなことはまずありません。そこは安心していただいて問題ありません。
鍼灸をお考えの場合は、伝統的な東洋医学専門の鍼灸院で施術を受けられることをお勧めします。
東洋はり灸整骨院も、細い針での鍼灸しか行いませんので、安心して受けていただくことができます。もし不安であれば、事前にご相談していただければと思います。
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