現役の鍼灸師が教える、本物の鍼灸院を見分ける4つの方法
東洋はり灸整骨院の石丸です。
今回は、「現役鍼灸師が教える、本物の鍼灸院を見分ける方法」についてお話させていただきます。
鍼灸院や鍼灸整骨院など、はり灸を行う治療院はごく身近にもたくさんあるはずです。しかしその中に、病気や症状を治す力がある本物の治療院と、慰安行為を行うだけで治すことができない治療院との違いがあることをご存知でしょうか。
本日は、病気を治す実力のある、本物の鍼灸院の選び方についてお話しします。ぜひ参考にしていただければと思います。
Contents
治療院はラーメン屋さんに似ている?
治療院をたとえると、ラーメン屋さんのようなものです。ラーメンには、
- 味噌
- 豚骨
- 醤油
- 塩
- 激辛ラーメン
など、いくつもの種類がありますよね。また、チェーンのラーメン店もあれば、一店舗だけで営業しているお店もあります。
化学調味料を使っているラーメン屋さんもあるでしょうし、麺から自分でつくっているラーメン屋さんもあります。それと同じように鍼灸院も、治療院によってスタンスが違うのです。
本物の鍼灸院はわずか2%
鍼灸院の中で、鍼灸のみで生計を立てている割合は、全体の2%にすぎないと言います。50人に1人の割合です。その他の人は、
- マッサージ
- 整体
- カイロ
などで経営を成り立たせています。我々からすると、本物の鍼灸家はこの鍼灸のみで生計を立てている全体の2%に過ぎないのです。
美容院を思い浮かべてみてください。そこで働く全員が美容師の免許を持っていますが、新しいスタッフの主な仕事は、シャンプー。髪の毛を切るのはだいたい、店長やトップスタイリストの仕事です。
それと同じように、鍼灸の資格を持っている全員が、鍼治療をするわけではないのです。
本物の鍼灸院の4つの選び方
では、本物の鍼灸院を選ぶためには、どうすればよいのでしょうか。私が思う4つのポイントをご紹介させていただきますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
鍼灸専門の治療院
まずは、鍼灸専門である治療院を探すことです。実は、鍼灸院というのは、とても敷居が高いものなのです。私の祖父母は、一度も鍼灸を経験しないままこの世を去りました。
普通の方は、まず病院に行きます。そこで治らないとなると、どうすればよいでしょうか。
- 整骨院
- 整体
- カイロプラクティック
- マッサージ
に行くかもしれません。漢方を試す人もいるでしょう。
そうやっていろいろとしてみても、どこに行っても治らないとなって初めて、「怖いけれどはり灸に行ってみよう」ということになるのです。つまり、はり灸は、最後の砦です。
鍼灸は、いちばん難しい患者さまだけを相手にすることになるため、そうした方々を治せなければ鍼灸だけで生計を立てられないのです。よほど勉強し、自信と経験を積まなければ難しいのです。
マッサージ、整体、カイロプラクティックなどを併用しているところがあるのは、敷居を下げ、一般の患者さまでも通いやすくするためでもあるでしょうが、中途半端にならざるをえません。
飲食店にたとえると、一つのお店で、ラーメン、オムライス、お好み焼きの用意があるのと同じです。そういうお店のラーメンはおいしいでしょうか。
小児鍼のできる鍼灸院
2つ目のポイントは、小児鍼ができるかどうかです。
小児鍼は、子どものはりです。
- 小児喘息
- 繰り返す風邪
- 中耳炎
- おねしょ
- アトピー
- 夜泣き
その他さまざまな症状を抱えた患者さまが東洋はり灸整骨院にもいらっしゃいます。小児鍼ができなければ、東洋医学の真髄を極めたとは言えません。
時間制、本数制でない鍼灸院
見分け方の3つ目は、時間制、本数制でないことです。
他の治療院では、40分あたりの治療費、1時間あたりの治療費が載っていたり、はり1本あたりの金額が記載されている場合があります。しかし時間制を掲げている治療院は「東洋はり灸整骨院では治せません」と言っているのと同じなのです。
歯科医院で、
- 「歯を削るのに1時間かかったからいくら」
- 「15分しか削らなかったからいくら」
と言うでしょうか。
また、
- 「胃の開腹手術に4時間かかったからこの金額」
- 「手術が2時間であればこの金額」
と、時間で費用が変わることはありえません。
腕がよければ、治療時間も短くなるはずです。時間が長くなれば長くなるほど金額を上げるのであれば、「治療の腕がありません」「治せません」という意味なのです。
それと同様に、本数制というのもおかしな話です。はりというのは、少ない本数で治すのがプロ中のプロ。レベルの高さを意味します。本数が増えるほど金額が上がるのは、実におかしな話なのです。
東洋医学の診断を行っている鍼灸院
4つ目のポイントも、非常に重要です。
腹診、脈診、舌診という東洋医学の診断を行っているかどうかということです。これをせず、症状だけを聞いてはりをするのは、もはや東洋医学ではありません。
東洋医学には、検査器具がありません。患者さまの身体から発する信号を分析して、治療します。この方法は、4000年といった長い歴史の積み重ねの中で、体系化されてきたものです。
この診断をせず、鍼灸をするというのは、その患者さまの体質を見極めずにただはりを打っているだけということにほかなりません。右から左へと、ベルトコンベアー式で治療を行っているだけです。東洋医学への無礼だともいえるでしょう。
本物の鍼灸院の選び方 動画解説
「鍼灸院の選び方」について、Youtubeにてお話させていただいた動画もございます。ぜひご覧ください。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、現役の鍼灸師である私が考える「本物の鍼灸院の選び方」についてお話させていただきました。
これら4つのポイントを満たすのは、全体の2%にすぎません。この2%ほどの治療院が、病気や症状を治せる本物の鍼灸院だと私は考えております。
もちろん、これらの4つを満たしていない鍼灸院にも腕の良い本物の鍼灸院、鍼灸師の方もいると思いますが、やはり一般の方ですと判断に悩んでしまうでしょう。
今現在、
- 「どこの鍼灸院へ行けばいいのか?」
- 「鍼灸院をどう選べばよいか?」
とお困りの方は、これらのポイントを意識して探してみてください。
(関連ページ)