NHKスペシャル「血圧サージが危ない」を見て―交感神経と副交感神経
東洋はり灸整骨院の石丸です。
本日は先日放送された「NHKスペシャル―血圧サージが危ない!」という番組について東洋医学的な考えをお話ししたいと思います。
血圧サージとは
皆さんは、「血圧サージ」という言葉を聞いたことはありますか?
血圧サージとは血圧の急激な変動のことです。普段は穏やかな血圧だとしても、あるタイミングだけまるで大波のように血圧の急変動を起こしている人がいるということが分かってきたのです。
この血圧サージがあると血管に負担がかかり、脳出血などのリスクが高まると番組では言っていました。さらには、この血圧の変動は「交感神経」が過敏にはたらいてしまい、症状を引き起こすということも分かってきたのです。
交感神経とは
交感神経は私たちが元気に活動するためには必要な神経です。日中活発に動けるのは交感神経がしっかりはたらいてくれているという証です。
その一方で、交感神経は「緊張の神経」とも言われています。
例えば、
- 肩
- 頭
- 腰
- 足の痛み
など痛みを我慢すると緊張するため交感神経が優位になります。
痛みがあると痛み止めを飲むという人も沢山いると思いますが、病院で処方されているものであっても、鎮痛剤などの薬はさらに交感神経を優位にするのです。
痛みのある体はただでさえ交感神経が優位な状態だというのに、鎮痛剤を与えることでさらに交感神経が優位になってしまいます。一時的に痛みが取れるかもしれませんが、脳卒中を引き起こす血圧サージに直結します。
このように交感神経が優位にはたらく状態が続いてしまうと、体が休息(リラックス)することができず、神経のオンとオフの切り替えがうまくいかなくなってしまうのです。
交感神経をコントロールするにはどうしたらいい?
ではこの交感神経優位の状態を、副交感神経優位に変えるにはどうすればいいでしょう。交感神経が緊張の神経であるのに対し、副交感神経はリラックスの神経です。
番組内では、
- ハンドグリップで血圧を下げる
- ゆっくりと入浴する
- 音楽を聴きながらのストレッチをする
- 胸式でも腹式でもいいので、深呼吸をすること
が紹介されていました。
さらには、ヨガや瞑想、笑うことも良いとされていますね。自然が豊富なところや神社などに行き気分を鎮めることも良いとも紹介されていました。
こういったリラックス法や減塩などの生活習慣はもちろん大切です。
しかしどんなにリラックスしても、そもそも慢性症状や痛みのある体は、交感神経が優位になりやすいということは理解しておかなければならないのです。
慢性症状の痛みを取るためには鍼灸がお勧め
慢性症状を取るには「鍼灸」が有効です。
鍼灸であれば、慢性症状の痛みや、そもそも痛みが出ない体を作ることができます。また鍼灸には、交感神経から副交感神経を優位にする力があります。
東洋はり灸整骨院に来られる患者さんも施術中に熟睡してしまったり、施術後はよく眠れると言われたりもします。鍼灸にはリラックスさせる力があるということです。
血圧サージが危ない-東洋医学的な補足
NHKスペシャル「血圧サージが危ない」を見て、私がYoutubeにてお話させていただいた動画もございます。併せてご覧ください。
まとめ
いかがでしたか?
普段の血圧は正常だとしても、あるタイミングで急激な変化が血管内で起こってしまう血圧サージ。この血圧サージの原因は交感神経が優位にはたらいてしまうことにありますので、誰にでも起こり得る症状であることは確かです。
血圧サージが引き起こす問題で、最悪の場合には脳卒中につながることもあるのです。
私たちの体は、交感神経と副交感神経がうまく切り替わることで、スムーズな生活を送ることができますから、血圧サージを防ぐためにも鍼灸を活用するのはお勧めです。
何より、鍼灸は副交感神経優位の状態に持っていくことができます。大変良い方法であることはお分かりいただけたと思います。
体から慢性的な痛みを取り除き、リラックスした状態にしていきましょう。
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