鍼灸学生さん必見!鍼灸は局所ではなく、全身をみて施術しよう
東洋はり灸整骨院、代表の石丸です。
今回は、鍼灸学生向けにお話をしたいと思います。それは、「鍼灸の局所施術はお勧めできない」ということについてです。
局所治療というのは、腰痛の時に腰に刺す、膝が痛い時に膝に刺すというように「症状が出ている患部に直接施術すること」を指します。
この局所施術がなぜお勧めできないかというと、基本的には局所施術自体が西洋医学の考え方のもとだからです。西洋医学は人体を細分化して、全体像を見ることを忘れていると言えるほどです。
東洋医学の視点から、この局所施術について紐解いていこうと思います。
西洋医学は体をバラバラにみる?
例えば、某大学病院には30科以上の科があります。これは人体を30カ所に分けているのと同じことですね。
例えば、首が痛い、肩が痺れるという方がいるとします。その方が病院に行っても、首や肩しかみてもらえません。首や肩の不調以外に、生理痛や不眠症、花粉症や睡眠障害など様々な症状が出ていても首から腕しかみないわけです。
これが西洋医学の局所的な考えです。その結果、患者数は年々増え、この60年で医療費は190倍になってしまいました。
東洋医学は体全体をみて施術を行う
東洋医学は西洋医学とは真逆の考え方で施術していきます。
つまり、東洋医学は全体像を把握して施術するので、西洋医学のように患部に施術をしていてはいけません。
■偏頭痛 女性の方の例
例えば、偏頭痛のお客様が女性の場合、結構な割合で生理痛や生理不順、子宮筋腫など婦人科系の病を持っていらっしゃいます。肩こり腰痛を訴える方も多いですね。それを偏頭痛だからと頭に鍼を打っていては、生理痛を放置してしまうことになります。
このような症状が出ている場合、東洋医学ではどちらも「肝」が関連していると考えます。
五臓六腑の肝は、怒りを司るため生理前にイライラする人もいますし、血とも関係が強いです。また、肝の経路は頭も通っています。つまり、肝の経路を整えることが出来れば、偏頭痛も婦人病も、肩こり腰痛も3つまとめて改善できるのです。
これを西洋医学の病院のように人体を細分化していてはよくなる物も改善しないのです。だからこそ私は、局所施術をお勧めしないのです。
局所治療について 解説動画
本記事について、私がYoutubeにてお話させていただいた動画もございます。ぜひご覧ください。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、鍼灸学生向けに「鍼灸は局所ではなく全身をみて施術しよう」についてお話をさせていただきました。
もちろん、怪我をした場合など局所が有効なこともありますし、隠し味のように少しだけ局所に施術する場合もあります。しかし、東洋医学というのは全体を考えて施術してこそ本来の力を発揮できるものです。体全体をみるから、他の体の不調を一緒に改善していくことができます。
鍼灸に携わる私たちは、西洋医学に負けない施術をするためにも、五臓六腑と経路や内臓の相互関係を踏まえて東洋医学にしかできない鍼灸施術をしていくよう心がけなければならないのです。
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